2017年10月10日火曜日

「凶区」総目次

1960年代から70年代初頭にかけて発刊された同人詩誌「凶区」の総目次を以下に掲載します。この目次はもともと、このブログの著者が修士論文に付録として掲載したもので、今後「凶区」について研究しようと考えている方の参考になればと思い、ここに再録しました。

 ※誤字・脱字などありましたら、適宜ご指摘ください。

2015年5月19日火曜日

ハッピークリーニング(5月初めの)

クリーニング屋にコートとスーツを預ける。
新規会員は半額となる、高架下に新しくできたクリーニング屋。

全部で十点となります、と四十代半ばくらいの女の店員が嬉しそうに言う。
半額の対象となるのは十点までだった。

武蔵境から武蔵小金井の高架下に続々とお店ができている。
時間貸しの駐輪場から、ドラッグストア、カフェ、居酒屋まで。
ここ一年くらいの話だ。中央線の高架化によって生まれたスペースの有効利用(商業利用)といったところか。

黒いスーツのズボンの、後ろポケットのボタンに引っかける輪っかがとれかかっていたので、これは修理できますか、と聞くと、服のお直しはとなりのお店になりますので、と言われた。

クリーニング店には、簡単な服のお直しをやってくれる店もあると聞いたことがあるから、もしかしたらこのとれかかった輪っかもなおしてくれるんじゃないか、と期待したのだが、どうもこの店ではそういうサービスは行っていないらしい。価格の安さが売りのチェーン店だから、これくらいなら直しておきますよと、機転を利かすわけにもいかないだろう。

むしろ、僕が店員の声や表情から読み取ったのは、同じ高架下の他店に対する心配りのようなものだった。高架下にできた新しいお店のなかには、開店して十ヶ月も経たないうちに看板を下ろしたものもあった。

高架沿いには、舗装されて間もない道路がまっすぐのび、電灯や細い並木が等間隔に並んでいる。
僕はそれを見るたび、『化物語』に出てくる街並みのようだ、と思うのだった。

2015年2月22日日曜日

あったかい

なんとなく寒い日が続くと、気持ちも滅入ってくるというものだ。

夏にクーラーの効いたカフェやデパート、ファミレスを転々とするように、冬も暖房のきたカフェやデパートやファミレスを転々とすることがあってもいいのではないだろうか。
うん、誰も反論していない。

ある作家は自分の生まれ月である11月を、1日で一番日が短い時期で、なんだか損した気分になるから嫌いだ、とエッセイかなにかで書いていた。もう2月も終盤になって、日もだいぶ長くなってきたはずだが、それでも寒いからといって外へ出ず、家の中で縮こまっているのであれば、日が短いことと大差ないのではないだろうか。うん。

寒い冬(畳語的?)にはあたたかさというものが、それだけで安心感をもたらしもする。たとえば、シチューのCMみたいな。あるいは、心情を表すメッセージとなったりもする。たとえば、手編みのマフラー。得意料理はシチューなんです、今度よかったら食べに来ませんか。とか。またシチューになってしまった。

個人的には、早く3月下旬くらいになって欲しいという気持ちがある。